市場で痛い目にあった日

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ここジュネーブは買い物は簡単ではない。物価が高過ぎて、普通のお肉1kgが60スイスフラン(約1万円)したりするので、だいたいはフランス側に買い物に行くのである。特に土曜日はフランス側で大きな市場が立つので、毎週行くのが恒例である。今日はそんな市場で初めて痛い目にあった。

前日の疲れをひきずり疲れたままボーッと市場にきたのがまずかった。フレンドリーな男性2人が「うちを見て行きませんか。試食しませんか。」と誘ってくる。お店も大変綺麗で何やら美味しそうなオリーブやらパンに塗るパテやらが量り売りで並んでいる。あれこれ試食させてくれ、熱心に説明してくれる。落ち込んでいた気持ちも上向き、なんだか応援してあげようかなという気にもなり「じゃあ、2種類とそのオリーブをほんの少し買います。」と言った。だって、パンに塗るパテなんて、ジャム1瓶くらいもあれば十分ではないか。

しかし、「買う」というや否や、その男の人の目はギラリと光り、グワっとゴム手袋をした両手いっぱいにパテを掬い取り、どちゃッとビニール袋に入れた。その量1500gほど。ビニール袋にクリーム状のパテを入れたら容易には取り出せない。この荒々しい所作を見た時点で「しまった、騙された。」と気づいた。だってパテって100gとかそういう単位で買うものでしょ?しかし、ベッタリとビニール袋にへばりついてるパテを目の前に「やっぱり買いません。」とはとても言えない雰囲気。いや、いつもの自分なら「こんなに要らないわ!なんて失礼なの!!」て言い切って去っていったと思うけど、元々疲れ切った状態で買い物に来ていた私。だから、最初から勝敗は見えていたのである。無念。

一応「そんなにいるわけないでしょ?減らして?」ていって250gくらいまで減らしてもらったのである。でも断る隙を与えず同じ要領で、一度買うと言ってしまった他のパテとオリーブも大量に売りつけようとしてくる。これまただいぶ減らしてもらったものの、合計1kgぐらい(38ユーロ)は買わされる羽目になってしまった。そして、「カードがいい???」て聞いてくるではないか。あ、これはクレジットカード出したら情報抜き取られてもっと面倒なことになるな、と思い、キャッシュで払った。当然領収書もないけれど、元々奴らはそういう弱そうな人を狙っていたのであって、これは私の完敗であるが非常に惨めだった。

そんな悲しい気持ちを引きずってオイスターバーに来て牡蠣を6つ食べたら少しは気持ちが上向いた。牡蠣はいつも正義。

「よし、サーモンのお寿司が好きな息子のためにサーモンを買って帰ろう。」と思いついた。いつものお店に行き生食できるサーモンを買ったら、ふと「あ、そうだ、たまには他のネタも買おう。前は生臭かったけど、今回はいけるかも?」と思って、マグロやホタテやらエビなどを色々買った。これは56ユーロ。家に帰ってさまざまな用事をこなし、へとへとになりながらお寿司を握り、さあ夕飯でみんなでいただきます!というとき、とんでもないことに気づいた。ネタが前回以上に生臭くてとても食べられないのである。。。。やられた。。。完全にやられた。完敗だ。。。これだけの金額をドブに捨ててしまった。今日だけで100ユーロくらいドブに捨ててしまった。悲しみにくれながら握った寿司を捨てて、家族にうどんを作って食べた。非常に悲しかったが、ジュネーブで外食しようとお寿司のランチを食べたら50フランはするので、やはり外食するオプションは我が家にはないからしょうがない出費なのである。

そうやって自分を「仕方がなかったことだ。」と励まして、「そうだブログのネタにでもしよう。」と自分を慰め、こうやって記事にした次第。いろんなことがあるよね。そんな日もあるのである。

おしまい。

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