結局、頼りになるのは誰なのか

実は我が家は1ヵ月以上、トイレが壊れたままである。そもそも入居する前から壊れていた。仲介不動産屋経由で大家に連絡しても一向に返信がない。まぁそもそもこのアパートは相場よりずっと安いので、それぐらい自分たちで修理してくれっていうことなのかもしれない。

夫に訴えても、義両親に訴えても一向にどうにもならない。後にして私が調べた。修理業者に出勤前の夫に電話をさせたが「大家様からの正式ご依頼がなければ無理です。」とあっさり断られた。夫もそれはそれですんなり応じて「ドイツはこういうのが正式な手続きだよ。」とどや顔で言うので、殺意が湧いた。「お前もお前を含めたドイツ人も全員くそ!!」と罵ってから、そうだ。こういう時こそ、移民コミュニティーに頼むべきである。マイノリティーの大変さはマイノリティーにしかわからないのである。

トルコっぽい名前の業者を見つけて「大家さんも何もしてくれないし、あなたの助けが必要なんです。トイレがもうしばらく長いこと壊れたままなんです。」とドイツ語で訴える。こういう時にジュネーブではフランス語が全然しゃべれなかった自分が恨めしかったが、私はドイツ語は多少しゃべれるのである。

そしたら、その業者は「僕はもうスケジュールがいっぱいだから、友達を紹介するよ。」と同業者の電話番号くれた。同業者の人にも電話をして同じように訴え、なおかつ、ここが重要だが「現金でその場で払えます。大家ではなく、私たちがその場でクレジットカードでも銀行送金でも現金でも払えます!」と訴えたら、相手がピクリと反応した。そうなのである。いくらマイノリティーといえども、同胞の人間を優先するのが当たり前である。そのためいくらマイノリティーといえども、アジアから来た私を助けるよりも、トルコやアラブの人たちを先に助けるのは当たり前なのである。

が、現金収入となれば、話は別。誰しも現金収入はありがたい。現金を渡して、それを本人が税申告するかどうか本人次第の話であって、私の問題ではない。私は合法的にきっちりやるってだけ。だけど、相手に寄り添って現金でも払えるよ。と言う姿勢を見せたら、びっくりと動いてくれることもある。

こういうことでは、夫は一切頼りにならないけど、伊達に9年近く結婚生活送ってないから、何とかしてみせる。こういう苦労をそしらぬふりで、「うちの息子は、稼いで、真面目に働いて子育てして、料理もして、家事もして、君は何が不満なんだ。」と義父に言われたりする。それ以外の何一つできないことが不満なんだよ!で、私はいつもイライラして、その場でボコボコにするのが日課です。

さぁ、修理業者が来てくれるのか。

こうご期待である。

来てくれなければ、近くの仲良くしてるトルココミュニティーに頼んで、トルコ語で電話してもらうつもりである。

おしまい。